♪2007 February

ライブ後記 ( 2007. 02. 05 )

ご来場いただきました皆さま、本当にありがとうございました。
また、やむなくご来場いただけなかった皆さま、ご来場いただきましたKさまのライブレポートをリンクさせていただきますので、どうぞ、ライブの臨場感を味 わっていただきたいと思います。

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今、タンゴ集団「エル・フエジェ」の1stアルバム「MIYUKI TANGO」を聴きながら日記をしたためている。日付が変わって昨夜は江古田「BUDDY」という大きな箱でのCD発売記念ライブである。
平日開催の「エル・フエジェ」ライブには遅刻するのが恒例であるが、今回も客先で30分以上足止めを食らい、第1部を完全に聞き逃した。現地でシャンソン 歌手の柳川ローズさんとお会いして第1部の様子を伺ったところ、ロベルト杉浦という歌手がゲストとして「ロコへのバラード」を披露したという。アストル・ ピアソラ—オラシオ・フェレールという黄金コンビの手によって成ったこの曲は、以前に別のライブでも時間切れで早退して聞き逃してお り、よほど縁がないものとみえる。他には「Miyuki Tango」「野原でバンドネオンを拾ったよ」「リマ・ダンス」など、おなじみの曲が連なったという。
さて、気を取り直して第2部に耳を傾ける。コースは次の通り。
  エル・ポルテニート
  マル・デ・アモーレス
  ノクトゥルナ
  バホ・タンゲーロ
  ブエノスアイレスの夏
  オブリビオン
  パロミータ・ブランカ
  タンガータ
  ラ・クンパルシータ(アンコール)
ここ3ヶ月間追いかけてきた中で、全体のコヒーレンス(統一性)では今回のライブが最も秀でていた。おそらく五重奏の部分を8分目の安全運転に切り替えた ものと思われる。かわりに三重奏やソロのパートを随所に設け、そちらのテーブルで即興演奏を存分に披露していた。いわば五重奏アンサンブルの基礎の上に即 興演奏のお神楽を建てた2階建て方式である。これによって「エル・フエジェ」は自分たちの「標準」を確立したといえる。極めて収穫の多いライブであった。
2曲目の「マル・デ・アモーレス」でダンスユニット「Lam&Gyu」が登場するなど、演出にもこだわりを見せた。MCも笑いの壷満載の周到に準備された 内容で、画期的であった。さらにはアンコールのアンコールとしてロベルト杉浦が「ロコへのバラード」を客席から再披露した。「標準」にこれらのオプション が次々に加わると、先々のライブにも楽しみが増えよう。ただし、「標準」があくまでも本命であることだけは忘れないでほしい。(釈迦に説法だが& amp; amp; amp; hellip;…)
演奏後にCDジャケットを拝見した。メンバーから「辛口」と伺っていた小松亮太氏のライナーノーツに目を通す。収録曲の演奏の出来を序列化している内容 だったが、私には現役アーティストの本音として傾聴に値するように思われた。少なくとも嫉妬に狂ってライバルを叩き潰そうとする意図は見られず、十分に友 情が滲み出ている。
あと、バンマスの佐藤美由紀さんの挨拶文に「伸びしろ」という言葉を発見した。私が「エル・フエジェ」に関して最初に書いた日記のキーワードとして「伸び しろ」という言葉を使ったが、この第一印象は意外とメンバーの方々の共感を得られたのかもしれない。
100人以上収容できる大きな会場はほぼ満員。最後の「タンガータ」では、ギター・ピアノ・ヴァイオリンと受け渡されるソロのカデンツァに、客席が水を 打ったように静まり返っていた。試行錯誤を繰り返した末の到達点。間違いなく最高の出来映えであった。
『荘子』逍遙遊篇の冒頭に次のような一節がある。「北冥に魚あり、其の名を鯤(こん)と爲す。鯤の大いさ、其の幾千里なるを知らず。化して鳥と爲るや、其 の名を鵬(ほう)と爲す。鵬の背、其の幾千里なるを知らず。怒して飛べば、其の翼は垂天の雲のごとし。是の鳥や、海運(うご)けば、則ち將に南冥に徙(う つ)らんとす。南冥は天池なり。」
今まさに「エル・フエジェ」は鯤から鵬に変身して南天へ飛び立たんとしている。どうか音楽の天空を自由に飛翔していただきたい。

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Kさま、渾身のレポート、ありがとうございました。
そして、いつも応援ありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。


レポートその2 ( 2007. 02. 06 )

もうお一方、長文のレポートを書いてくださった方をご紹介。 あら、この方もKさんだわ♪ ・・・・・・・・・・・
昨日のeu@大泉学園・まほうの竜に続いて、本日もライブ遠征。 実は、江古田BUDDYに行くのは初めて。「年末渋さ」見たこと無いし。 “リマタンゴ”の姉妹ユニット“El Fuelle”(エル・フエジェ)のレコ初ライブ。 豪華ゲストが参加との事でしたが、 リマさんが不参加なのは事前に分かっていたので、 もしやあのお方が、なってるハウスを爆笑させたあの濃ゆいお方が 出演するのではと思い、期待して行ってきました。 池袋駅で乗る電車を間違えて、江古田駅を通過。 それでも開演30分前(開場30分後)に江古田BUDDYに到着。 レコ初ライブなのに、広ーい店内が閑散としていて心配したのですが、 開演までにどんどんとお客さんが増え続け、 最終的にはほぼ満員になったのではないでしょうか。良かった。 あまりジャズっぽくない客層。タンゴなのだから当然ですが。 ベースの清水さんが楽屋から出てくるのを発見して、挨拶に行く。 すると、そのあとから、あのお方が。 ロベルト杉浦さん、出たーーーっ!! 2004年9月3日のリマタンゴのライブにゲスト出演して、 情熱的な歌唱と大爆笑の下ネタ話で なってるハウスを熱狂の渦に巻き込んだ、あのロベルト杉浦さんです。 これはものすごいライブになりそうです。
 El Fuelle (エル・フエジェ):
  佐藤美由紀  (ピアノ)
  江藤有希  (ヴァイオリン)
  早川純(善宜)  (バンドネオン)
  スズキイチロウ  (ガットギター)
  清水良憲  (コントラバス)
 ゲスト:
  ロベルト杉浦  (ヴォーカル:5,6,18)
  Gyu & Lam  (ダンス: 10)
<第一部>
 1. マラ・フンタ(悪い仲間)  (フリオ・デ・カロ)
 2. エル・チョクロ(とうもろこし)  (A.ビジョルド)
 3. ミユキタンゴ  (スズキイチロウ)
 4. 野原でバンドネオンを拾ったよ  (スズキイチロウ)
 5. ロコへのバラード  (A.ピアソラ)  *ロベルト参加
 6. ナランホ・エン・フロール(花咲くオレンジの木) (エスポシト)
     *ロベルト参加
 7. ラ・ラジュエラ  (P.シーグレル)
 8. リマダンス  (スズキイチロウ)
<第二部>
 9. エル・ポルテニート  (A.ビジョルド)
 10. マル・デ・アモーレス(恋わずらい) (P.ラウレンス) 
     *Gyu&Lam参加
 11. ノクトゥルナ  (フリアン・プラサ)
 12. バホ・タンゲーロ  (E.レッテラ)
 13. ブエノスアイレスの夏  (A.ピアソラ)
 14. オブリビオン  (A.ピアソラ)
 15. パロミータ・ブランカ(白い小鳩) (アイエータ)
 16. タンガータ  (A.ピアソラ)
<アンコール>
 17. ラ・クンパルシータ  (M.ロドリゲス)
 18. ロコへのバラード(縮小版)  (A.ピアソラ)  *ロベルト参加
店内が広いせいか、全ての音がPAで調整されているので、 バランスが取れていて聴きやすいような、違和感有るような。 ミユキさんの曲解説(別名:ナイスボケ)を挟みながら 順調にライブが進んでいきました。 5曲目・6曲目でロベルトさん登場。 とても情熱的な歌唱なのですが、その歌う姿が この前テレビで見た“プッチャリン”さんの姿に重なって見えて 笑いがこみ上げてしまいました。 タンゴ・ファンは、うっとりしながら聴いているのでしょうか。 8曲終えたところで、休憩時間。 ファーストCD『MIYUKI TANGO』の先行販売時間になりました。 ミユキさん自ら売り子となっての即売会。 私は、販促(サクラ)も兼ねて先頭に並ばさせていただきました。 第二部の序盤(10曲目)では、ステージ前に空間を作って、 “Gyu & Lam”のダンスチームをフィーチャーした演奏。 12曲目の「バホ・タンゲーロ」では、清水さんのコントラバスをフィーチャー。 客席からの視線が、清水さんに注がれます。 いままでに、清水さんのコントラバスが ここまで注目された日があったでしょうか。晴れ舞台です!! ライブはさくさくと進み、 最後の曲(16曲目)はミユキさんお気に入りという「タンガータ」。 構成された上で、メンバーそれぞれのソロを たっぷりと聴かせる演奏に、ぐっと来ました。 アンコール曲として「ラ・クンパルシータ」。 客席から惜しみない拍手が送られました。 さらにミユキさんがピアノを弾き始めると、 客席の中央に座っていたロベルトさんが立ち上がり、 マイク無しで熱血歌唱!! なかなかこころにくい演出でした。 ここまでたっぷり演奏したのに、終演時間が10時前。 遠出したにも関わらず、早めに帰宅することが出来ました。
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Kさま、ご来場そして「サクラ」と、お気遣いありがとうございました ! !
これからも応援よろしくお願いいたします♪