♪2008 April

・2008.04.17(Tue)
  佐藤美由紀(Pf)、早川純(Bandoneon)、山中裕平 (Vn)
  スズキイチロウ(Gt)、清水良憲(Cb)
   ダンス : ケンジ&リリアナ、歌 : 是枝みき
  【江古田】BUDDY



4月17日(木)はエル・フエジェ(El Fuelle)の江古田「Buddy」でのライブ。
今回はダンスにケンジ&リリアナ、歌に是枝みきをゲストに迎える豪華版だった。

■第1部
1)エル・チョクロ・・・・・・三重奏
2)ブエノスアイレスの春
3)フェリシア・・・・・・ダンス
4)エン・スエニョ
5)ガジョ・シエゴ・・・・・・ダンス
6)パロミータ・ブランカ・・・・・・ダンス
7)ノクトゥルナ
8)ブエノスアイレスの冬・・・・・・ダンス

■第2部
1)フロール・デ・リノ・・・・・・三重奏
2)ラ・ウルティマ・グレラ(最後の女)・・・・・・歌・ダンス
3)マル・デ・アモーレス
4)ホテル・ヴィクトリア
5)ケ・タンゴ・アイ・ケ・カンタール・・・・・・歌
6)オブリビオン〔佐藤美由紀編曲〕・・・・・・ダンス
7)ジョ・ソイ・マリア・・・・・・歌
8)ア・フエゴ・レント
9)ラ・トランペーラ・・・・・・ダンス

O)ラ・クンパルシータ・・・・・・歌・ダンス

セットリストで一目瞭然だが、ダンスのケンジ&リリアナが大車輪の活躍。曲ごとに女性の衣装が変わり、パロミータ・ブランカ(白い小鳩) では純白のドレスを身にまとう凝りようだ。通常のステージとは別に、客席の真ん中にダンススペースを作り、ステージと一体の絢爛豪華な空間を創り上げた。 第2部からはヴォーカルの是枝みきも加わった。「ロコへのバラード」の如く、冒頭に語りが入り、何やら物語仕立ての進行のようである。特に「ジョ・ソイ・ マリア(Yo soy Maria・私はマリア)」はピアソラとフェレールのオペリータ(小オペラ)『ブエノスアイレスのマリア』の主題歌に相当する曲で、物語性を前面 に押し出していることが分かる。 それにしても今回の「ジョ・ソイ・マリア」には驚愕した。ヴォーカルを含めて全員がフリーで曲に入っていったのだ。ヴォーカルが入った場合にバンドは必ず ヴォーカルに合わせる、という常識が覆された。見事なフリータンゴへの脱皮である。 旧世代のタンゴ歌手は、こういう歌唱は絶対に引き受けなかったであろう。タンゴのヴォーカルに新しい世代が育っていることを実感した。 そして最後の曲は「ラ・トランペーラ」。ウィーンフィルのニューイヤーコンサートでの「ラデッキー行進曲」を彷彿させる大団円仕立てだった。リーダーの佐 藤美由紀がピアノから離れてメンバー紹介をしている姿にも驚いた。指揮者然として常に演奏の中心にいたバンマス・佐藤抜きで演奏が進行している。これは中 心の消滅であろうか、それとも実質的サブリーダー・スズキイチロウへの権限委譲であろうか? 目立たない変化だが、これもまた見逃せない脱皮である。 「ラ・トランペーラ」は「嘘つき女」と訳されているが、むしろ「罠を仕掛ける女」という意味合いが強いという。今日の佐藤美由紀、そしてエル・フエジェ (El Fuelle)は、プログラムの随所に巧妙な罠を仕掛けていったと言えよう。バンド全体としても新しい次元へと脱皮した、記念すべきライブであった。

 by T

Tさま、ご来場ありがとうございました。 実は前々から、いつか自分のバンドにケンジ&リリアナさんをお招きしたいと思っていました。 やっと夢が叶いました♪ 客席に、リリアナさんのお母さまもいらしてくださっていました。 もう、大感激でした♪♪♪ ケンジ&リリアナさん、素敵なステージにしていただいて、本当にありがとうございました ! そして、歌のこれりん。 彼女は、私達がどんな演奏をしても、 それを聴いていて反応してくれます。 あっ、これってバンド(楽器)と一緒だと思いました。 実は、今回これりんとバンドとのリハは、当日本番前の一回きり、 色々冒険もありましたが、よく頑張ってくれました、これりん ! ここで、バンドですが、 もうそろそろこのバンドは、 私または誰かが引っ張るという形は卒業しつつあります。 バンドを立ち上げた時のことを考えると、夢のようです。 全員が同じ力で引っ張りあっている。 この日は函館五稜郭に負けない、立派な五角形になっていたと思います。(課題も色々ありましたけど★) 7月には、北海道ツアーでその函館を訪れます。 7月23日(水)中目黒「楽屋」での、ツアー千秋楽ライブにどうぞご期待ください !