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7月19日(日) 浅草「いちりん」

 

浅草「いちりん」での、4回目となるタンゴラウンジ、ご来場くださいました皆様、本当にありがとうございました。今日は皆さん、演奏タイムが終わっても、さらに打ち上げにても熱冷めやらぬで、あれやこれやの率直な感想や音楽とダンスの話、こうして面と向かって色々とお話させていただいて、とても嬉しかったんです、胸がいっぱいです。ありがとうございました。

とにかく、私が憧れるチェロ奏者の植草ひろみさんに初共演していただいたこと、このことは私の人生の記念すべき一日となったことは間違いありません。言葉にすると反対に陳腐に聞こえますが、素晴らしい音色、豊かな音楽、本当に幸せなひとときでした。このような場を与えてくださった和美さん、そしてご来場くださった皆さま、踊ってくださった佐藤利幸さん、本当にありがとうございました。ひろみさんにもいちりんの空間をとても楽しんでいただいて。

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「いちりん」のお話を今年初めに和美さんにいただいてから、今日で4回目。ここまで毎回共演者を変化させて、色々な側面から音楽としての魅力を私なりに表現してまいりましたが、

なんといってもお客様の多くはタンゴを「踊る」という側面から楽しんでいらっしゃる方々なのです。その方々に、押し付けることなく、音楽の「旨み」を、できることなら踊りと融合させながら感じ取っていただきたい、その一心でなんとか4回、演じて参りました。

特に今日はせっかく初めて共演していただく方なので、いつものミユキタンゴとは違うレパートリー、しかもそもそもピアソラが大変お好きで、ピアソラ以前の曲にはあまり触れていらっしゃらないという方ですから、曲選びから既に冒険は始まっています。ひろみさんに、お忙しい時間を縫って作っていただいたリハーサル(なんと!たまたま家がご近所という、これまた運命の出会い!!!いや、ご近所といっても、サンダル履きでトントントンというほど近いわけではないですが)色々と曲のご提案をしまして、一番気に入ってくださったのがこちら。

「黄金の心」!
ひろみさんのチェロが黄金の音色で会場いっぱいに広がりました。なんという贅沢なひととき!!これまで4回ともご参加くださった方から、「ライブでこの曲が聴けると思わなかった、大満足です」と言っていただいて、本当にいい曲は良いんだよな~と改めて感じました。今回演奏した曲達は、タンゴ感をあまり出さないように演奏してみたんですが、それもちゃんとお客様に伝わっていて、「アレンジがコテコテ過ぎると全部「ピアソラ」に聴こえてしまうものだが、今日はシンプルな美しさが良かった」というご意見をいただきました。ありがとうございます。その曲そのものの魅力を、「どうだ!これが私の考える〇〇(曲名)だ!」と押し付けるのはもともと好きなやり方ではないんですが、こうして余白を残すような表現で、聴いていただいた方にそれぞれの世界観をプラスして受け取っていただく、という現場の共有感がたまらない、至福のひとときとなりました。いやー、誰に何をどう感謝して良いかわかりません、全てに感謝!!!

そしてその後皆さんと、いつもの「ニュー浅草」でお腹を満たし、さらにBarでもう少し飲んで語ろうとなりました。時間はまだ早かったのですが、連休だしどこも満員。浅草通の和美さんが連れて行ってくださったところは・・・なんとアップライトピアノの置いてあるお店でした。ここで「クルリンパ」という謎のカクテルをいただきつつ音楽とダンスの話が絶え間なく続き、二曲ほど演奏を披露してオヒラキ。なんか不思議なことに、この日は飲んでも飲んでも酔いが回ってこないというのか、あのいちりんでの時間で既に頭の奥が幸せ感で痺れていて、その余韻が続いているというのか、不思議な感覚のまま地元駅に到着。

駅から歩き始めて程なくして、音楽が聴こえてくる。あ、この曲フェリシアだ、ウーゴディアスだ!!え?タンゴ??なんで???どこから?????・・・空耳?今日は酔ってないなんて言っておきながら、幻聴かしら?フラフラと音のする方へ近づいていったら、そこには見たことのないBarがありました。お店の名前は「Blue Doors」。まるで安房直子さんの『きつねの窓』みたいな展開です。夢か?するとガラスの扉が開いて、若い店員さんが出てきました。この日は貸切だったようで、そのことを伝えに来たようでした。「あのー、ライブやってるんですか?」と尋ねたら、「二週間前にオープンしたばかりのBarなんですが、音楽に力を入れていましてね」ですって。さすがにライブではないらしい。そりゃそうだ。ここでばったりウーゴディアスが出てきたら、それこそ夢だ。いや、あっちの世界か。それにしてもバス通りに響き渡るような音で、なぜタンゴを?・・・なんでも、関係者に音楽プロデューサーがいるとのことで、その方があるハーモニカ奏者からウーゴディアスのことを教わり、CDを入手したとのこと。これを若者でひしめくBarでかけるあたり、いいセンスだなー。改めて飲みに来ます、と言って名刺を交換して帰ってきました。流れる曲はフェリシアから「夢の中で」に変わっていました。なになに~?今日という日は誰かが演出しているものなの???