ミユキタンゴ日記

1月25日(日) クロスストリートVol.1

1月25日に、横浜は伊勢佐木町「クロスストリート」にて、ライブがありました。こちらでのライブシリーズは、商店街と生の音楽をともに発展させていきたいという伊勢佐木町商店街の皆様の熱いご要望により始まりました。ケンジ&リリアナさんのダンスの生徒さんでもあるサハリンが連携役として大活躍してくれています。今年からしばらくの間、こちらでのライブシリーズを行っていきますので、皆様の応援をよろしくお願いいたしますね!次回は3月1日(日)です!

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←リリケンクラブ『ケン爺の心のともしび』にも当日の様子が。

 

 


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2008年夏ツアー

【 2008年夏のツアー 後援:アルゼンチン共和国大使館
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7月12日(土)札幌「Liviang」
13日(日)「グレースコミュニティ」(旧手稲福音教会)
14日(月)函館「函館市芸術ホール」
15日(火)FM青森生出演
16日(水)青森「あずまたくみの店」
17日(木)盛岡「トラベル&カフェ Journey」
18日(金)仙台「Cafe Mozart Atelier」
19日(土)仙台「市民活動シアター」チャリティーコンサート Gran Milonga
20日(日)喜多方「大和川酒造・昭和蔵」
21日(月・祝)栃木「Cafe&Bar 珈茶話-Kashiwa-」
22日(火)水戸「Girl Talk」
23日(水)中目黒「楽屋」

佐藤美由紀(Pf)、早川純(Bandoneon)、 スズキイチロウ(Gt)、清水良憲(Cb)、柴田奈穂 (Vn)
※ケンジ&リリアナ(Dance)

【イチロウさんの旅日記】ーミユキタンゴ北の旅日記ー
登場人物:M=ミユキ、S=清水、J=早川純、N=柴田、I=イチロウ、
・7月11日
Nを除くメンバーを乗せたワンボックスツアー車(ミユキ号)定刻どおり15時に我が家に到着。楽器、機材を積み込むと既に車内は満載。札幌から合流するNの積載分を考えぞっとする。大洗港からフェリー乗船。船内レストランでバイキング。さっそく大食いツアーの予感。
*忘れ物=J、我が家でトイレを借りた際にカーディガンを置き忘れ。高速入り口で気がつくが時既に遅し。
・7月12日
時間ピッタリに札幌到着、Nと合流。ただし昼飯は時間の関係でとれなかった。郊外の店「りびあん」でカレー。満席のお客さんで大いに盛り上がる。Jにおばさまの黄色い歓声も。一発目の演奏なので不安だったがお客さんに大いに励まされ、助かりました。ありがとう。「Superその日暮らし」の頃のファンのかたが稚内から泊りがけで駆けつけてくれていたのも嬉しかった。彼からいただいたお土産袋には札幌の観光案内に手書きで細かく説明まで書いてくれていた。演奏後宿からすすきのへ。Sがお世話になっている焼き鳥屋にて打ち上げ。その後何故か観覧車に乗り、ラーメン。ラーメンはまあこんなもんかという感じだったが量がかなり。Sの説明によると、もやしたっぷりの札幌ラーメンって過去のもので、昨今は珍しいそうで。ちょっと拍子抜け。
・7月13日
札幌郊外の手稲の教会で演奏。到着後、近くの中華料理屋で五目焼きそば。すごい量だがおいしかったのでペロリ。大きな現場だがけっこうな入り。演奏も好調。親戚と会食予定のMを現場に残し、私の運転で宿に戻り、タクシーで連日のすすきのへ。ジンギスカンをめいっぱい。ラム肉だったが(私はくっさいマトン肉が好みなのです)さすが現地、タレにこっそりミソが入っているのがミソ。少々暴飲暴食。Mと合流するが、稚内の彼が記してくれていたとおり、少々治安が悪く(って日本っていつからこんなことに)、かと言って治安が悪くないところは、つくろげる居酒屋もなさそうだったのでそのまま宿へ戻り、宿で打ち上げ。
*忘れ物=S、いつも常用しているチタンの首輪
・7月14日
10時に宿を出て函館へ。今回の旅はかなりの無計画なのに何故かJRのような定刻どおり運行。ただしその無計画には昼食タイムは計算外なのか、この日もゆっくりと時間がとれず。途中のドライブインでお土産を買うついでにいか飯で軽い昼食。函館到着。ここはタンゴ愛好会のかたがたの企画でお客さんも年配者ばかり、この状態だとピアソラやっても怒られるという神戸の経験から、スタンダード中心に。代表者のかたはかなり年配のつまりおじいさんなのですが、この方がもうかなりの豪傑で(方言も豪快で解読に少々の苦労が)、演奏後の打ち上げ、これがカニ、ほっけ、ひらめの生造りなどもう大変な歓迎フルコース、量もすごい。残すムードではない、絞めのいくら丼でシャックリが出始める。さらにタクシーが用意され、函館山の夜景行き、山にかかっていたガスをミユキパワーで一掃し、見事な夜景が眼下に。私のシャックリ全く止まらず。宿に帰ってホテルでさらに飲んで(主催者もこのホテルに宿泊、もういい時間だと思ったが断れないですねこの流れ…。)以下翌日へ。
*忘れ物=N、チューナー、換え弦セット
・7月15日
しかもしかも、朝は8時にロビー集合で朝市経由「朝ラーメン」にいくぞと命令が。こういうときは流れに任せるのが礼儀というもの。生まれてはじめて朝ラーメン。おいしかったがさすがにここで胃腸が悲鳴を上げ始める。止まっていたシャックリも再発。朝ラーメンにチャーハンまでつけておいしいおいしいといけるSの胃腸がうらやましい。おなかをごろごろ言わせながらフェリー埠頭へ。乗船待ちの間、お腹の緊急ランプが点滅しはじめ脂汗まで出しての大ピンチ。間一髪で乗船しぎりぎりセーフ。船は就航したばかりの高速船で、なんと青森まで2時間と昔の半分の時間でぶっちぎり航行。到着後回転寿司。じしみ汁が美味しかった。ちなみにしじみ汁のしじみって食べるもんですか?うち食べません。ところがこれは私だけでみんなに白い目で見られる。へー。その後宿泊地である酸ヶ湯温泉へ。ここは昨年旅行で立ち寄った際にあまりにも素晴しかったので、今回のツアー参加の条件で「つれてけ」と駄々をこね実現。一風呂浴びて現場へ。この日ライブはなく、地元FM青森に出演が仕事。さっさとこなし宿にすっ飛んで帰り少々貧相な夕食(昨年来たときはけっこうギンギラギンだったのだけど…。みなさん申し訳ない)、翌日午後までやっと一息の温泉療養。この温泉は混浴で有名なのでMとNには申し訳なく思っていたが、本人たちは知り合いでなきゃへーきへーきと、なかなか度胸があるのか、捨てているのか(多分こっち)、いづれにしても楽しんでもらってなによりなにより。風呂→寝る→風呂→寝るを連続し、充電。
・7月16日
朝食は宿でバイキング。Mおかゆ2杯では足りず、さらにごはんをもう一杯。昼食は各自で。私は食べなかったが、他は蕎麦を。3時に出発し現場にいくかと思うと、Sが現場近くでどうしても行きたいラーメン屋があると駄々をこねるので(って昼あんたら蕎麦食べたじゃん)向かう。煮干が濃すぎてすっぱい味がするという有名店らしい。ここで全員ラーメン。ラーメンみたいなうどんみたいな不思議なものでしたが、まあ美味しかったです。Sは当然大盛でってあんたの胃はすでにブラックホール。あづまたくみの店で演奏、お客さんは数こそそこそこだがおおいに盛り上がってくれる。S、楽曲「春」と「冬」を間違えて、しかも始まってもしばらく気がつかずクマちゃんのぬいぐるみようにキョトンとしていた。タンゴを弾くようになって、はじめて年配のタンゴマニアなお客さんに褒められた。これは素直にウレシかった。演奏後宿のそばの居酒屋でバンドメンバー一丸となりけっこうな暴飲暴食。生ビール(ジョッキ)だけで20杯注文したらしい(ほぼこれをM,S,Iで飲んでいる)。青森は駅前商店街なのに、夜は人っ子一人いなかった。
・7月17日
盛岡に昼到着。Sは地元飲食情報にめっぽう強く、勘も働く、これは関西ツアーで実証積み。盛岡といえば冷麺。有名店をあっという間に探し出し冷麺(とレバー焼いたり、スープ頼んだり→これは身体をすでに気遣っている私)。私正直言って冷麺ってよくわかんないのです。なので評価は「?」。好きな人は好きなんだろうなあ。宿は市郊外の繋温泉というひなびた温泉。寅さんが泊まるような質素な宿で、蝉時雨が心地よい。一風呂浴びて現場”Travel&Cafe Journey”へ。演奏後、現場で打ち上げ。パスタやピザが今日の夕食。胃腸が悲鳴を上げている私としてはちょうどよかったが、メンバー数名は量として不満そうであった。
・7月18日
仙台に直行すると思いきや、リーダーM、「どうしても小岩井農場にいきたい、乳搾りしたい」と駄々をこね、リーダーに言われりゃしょうがないし、そろそろメンバー全員がなんでもいいよ~~モードなので言いつけどおり9時に宿を出て、雨の小岩井農場へ。なんでツアー中に牛の乳搾りをせにゃいかんのかという疑問はすでに持つ余裕なし。Jくん、きみはそういう芸風だったのかねと思わせる乳搾り侍。朝食は宿で済ませてあるにも関わらず、お決まりの牛乳とアイス、私の胃腸が意思を失っているのがわかる。仙台昼すぎ着。オフィス街のホテルのためあまり食堂なし。最寄の定食屋で各自。Sのブラックホールはカツカレーとレバニラとラーメン。”Cafe Mozart Atelier”で演奏。音響環境が厳しく、しかも演奏側がやる店と現場で知る。さあ困ったと思っていた矢先、この日仙台に来ていた渋さ知らズの面々が応援にきてくれた。その中に今回のCDのエンジニアであるT兄貴の顔が。地獄で仏。もう勇気100倍。私をこの世界に導いてくれた不破さんとも数年ぶりに再会。何故か胸がいっぱいになってしまった。この日からケンジ&リリアナが参戦。おかげで会場は大盛り上がり。宿に戻り、ケンリリも交えて居酒屋で打ち上げ&夕食。さらに別の居酒屋でけっこう痛飲。
*忘れ物=I、ケータイが入った上着
7月19日
ミロンガの日。地震に起こされる。少々前日の酒が残り、私はけっこうダメダメでスイマセン。酸ヶ湯効果もさすがに尽き果て、待ってましたとばかりに寝不足や暴飲のツケが。音響もかなりきわどく本番まで音が決まらず。ただですね、今回のツアーはギリギリですべていいほうに転ぶというのが特長で、本番はなんとか。というよりメンバーがモニターなんてなくても平気で演奏できるようになってきたようです。みんなすごいぞ。演奏後、主催者が用意してくれた豪華打ち上げ。もはや断るという判断が出来ず、すすめられるままビールをがんがんと。その後、牛タン食べてないので宿のそばの牛タン屋へ。盛りが良すぎて正直言ってもう無理やりだったので味のことは覚えていません。ところがMはビールとタン刺しまで。あんたも壊れてるね。さすがにもうこれ以上飲食は不可能になり、この日は早々に打ち止め。
*忘れ物=M、財布を牛タン屋に。あったからよかったものの、あんた。
・7月20日
喜多方へ。昼到着。ラーメン屋が列を作っていたため、後回しにして昼は蕎麦。実はこの喜多方。今回いちばん心配していた現場だったのです。知り合いは誰もいないし、音楽情報はネットに全く流れていないし、タンゴ愛好家情報も皆無。会津地方は地元文化が強く、外の文化は受け入れにくい気質との不穏なアドバイスも。しかもこの現場はお店ではなく酒造の蔵、お店主催ではなく、バンドがここを借りての興行。今だから書けるのですが、出発前はどうにか中止に出来ないか、でもチラシ刷っちゃったしと悩んでいた現場でした。ところが前も書いたように、この度はギリギリの場合、いいほうに転ぶのです。遠く新潟からタンゴ愛好家の団体が応援に。そして酒造の方々が近所の人にも声をかけてくれたり、観光で蔵に寄った人が来てくれたり。現場の音響はすべて我々でというのも知っていて心配していたものの、この蔵、レコーディングで使いたくなるほどの最高の響きで、ほぼ生音ですばらしい音。コントラバスなんかもう惚れ惚れするようなスンバラシー響き。ケンジ&リリアナのダンスも入って、お客さんこそ少ないものの、夢心地な空間でした。終了後、駅前で一軒だけやっていた喜多方ラーメンで打ち上げ。これが思いかげず(駅前だし観光地なのに夜までやってるのでどうかと思ったが)しみじみ美味しかった。Sはブラックホールなのでやっぱり大盛チャーシューメンと餃子とビール。雨の中、車で熱塩温泉へ。名前のとおり熱くて塩辛いお湯。最大の難所を通過した疲れをかみ締めながらのんびりと思っていたが、地元のじいさんたちに話しかけられ、それどころでなかった。だってすっごい方言なんだもん。渡部恒三元幹事長がよってたかって酔っ払って話しかけてくる感じ。
・7月21日
日光へ。高速だとあっという間に着いてしまうので、会津の山々を超え、一般道で南下することに。Mが何がなんでも天ざるが食べたいと駄々をこねるので、渓流ぞいの蕎麦屋で昼食。ここでJ、財布を宿に忘れたと真っ青、ところが宿に連絡して捜してもらっても「見当たらない」との返事。J、顔面蒼白。結果的には荷物から出てきたのだが、本人壊れてしまい、生涯初の「昼ビール」。蕎麦のほかに鮎飯やら天ぷらやらみんな暴食。旅も終盤。みんなもうなんだかわからなくなっている。ケンジ&リリアナと再合流し、Cafe&Bar珈琲話で演奏。夕食は賄いのイタリアン。ピザが染み入るように美味しかった。お客さんはお店が呼んでくれて満席。その中にローズさん、松尾さんなど東京からの応援組も。勇気百倍。ダンスも演奏も絶好調で大いに盛り上がる。ほんとうにいいバンドになったなあこのバンド、と実感。宿は霧降高原のペンション。ここで少なくなった手持ちの酒を分け合い、しみじみと打ち上げ。ケンジさんリリアナさんと宿でいろいろ話が出来たのはこの旅でいちばんの演奏的収穫だった。それまで私はダンサーの伴奏は譜面どおり一言一句、テンポも音源どおりにやるものだと思っていた。(そういうかたもいるらしいが)少なくともケンリリはそうではなく、演奏とダンスは一体なのです。全てがライブなのですね。ならば音楽としての方向はうちのバンドが捜し求めているものと一致する。旅の途中で強い味方に出会う、暗中模索なこのバンドを認めてくれる。こんなに勇気付けられることはない。
・7月22日
ケンリリと別れ、次の現場は水戸。なのだが私のホームシックを気遣ってか、つくば経由水戸へ。あっという間に見慣れた景色。違うのは出発前の梅雨色がギンギラギンの夏の風景に変わっていたことか。昼食は私が知っていた街道ぞいのラーメン屋。みんなにはおおむね好評だったが私は地元なのでちっともありがたくない。帰宅し、我が家の居間で小一時間休憩。あっという間に狭い八畳間で横になって気絶する者、柱に寄りかかったまま気絶するもの、まるで一酸化炭素中毒の事故現場のような光景。気を取り直して自分の車を出し水戸へミユキ号と併走。Girl Talkへ。ここも喜多方と並んで集客が心配な現場だったが、お店が声をかけてくれたり、水戸の私の音楽仲間が応援にきてくれたりで、なんとかなりました。演奏は最後を飾るに相応しい、ほぼフリージャズな一丸演奏、まさに天井をぶっ飛ばすような。こんなタンゴバンドはどこを捜したってない。タンゴがどうであるか、好きか嫌いか、そもそもこのバンドがタンゴバンドなのか、それは聴く人の主観で決めるもの。なのでそれはどちらでもよいのです。それ以前にこのバンドをもっと多くの人に一度聴いてもらいたいと思います。音響にしても、わずか30分で設営、ローディなんていないんですよ。こんなタンゴバンドなんてないでしょう。みんなタクマシー。11年前の渋さテントツアーを思い出す。ここでリマさんともリリアナさんとも会ったのだな。全て自分たちで行うテント興行。あの時の私は設営どころか、「あんたはそこで休んでて」扱いで、炎天下の下、黙々と設営をするみんなを眺めていた。そんな私が音頭をとり、仕切っている。ああ、あそこで学んだ渋さ魂。ありがたい。演奏後、私はひとり自宅へ脱走。みんなは居酒屋経由、宿へだったらしい。馬刺しとか串揚げとか食べたらしい。もうそろそろよしなさいよ。
・7月23日
自宅からの出発なのに通常モードになりきれず、不思議な感覚のまま電車で中目黒「楽屋」へ。衣装が在庫切れのI、J、は普段着。Mはドレス、Sは正装。なんじゃこのバンド。満席。ケンジ&リリアナが応援にきてくれた。おととい競演したばかりなのに妙に懐かしく、心からウレシイ。中目黒からは終電が早いため、のんびりツアーの成功をかみ締める間もなく、打ち上げどころか乾杯をする時間もなく、早々に電車に飛び乗る。*忘れ物=J、めがねを電車に忘れる。従ってこの日はイメチェンめがねなし若様。でもちっとも動じることなし。きみは変わったなー。ほんとに魅力的な演奏家になったねー。おわり。
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★今回の反省
1)忘れ物に気をつける
2)できれば次回は東京から離れていく行程にしてもらいたい(帰ってきた&終わった気がしない)
3)行き当たりばったりなブッキングはほどほどに(結果オーライだけどねー、ミユキさんあんたねー私ゃ小心者だからねー旅に出るまでもう不安で不安で)
4)少しでも労働基準法に則ったスケジュールをどうかひとつ
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札幌、函館、青森、盛岡、仙台、喜多方、今市、水戸、中目黒で待っていてくれたいつもの、応援してくださったみなさんに心より感謝申し上げます。またお会い出来ることを楽しみにしています。そしてこういうことが出来るのも、みなさんの他、音楽の神様を信仰するメンバー、それを作ってくれた人の縁の数々、支えてくれる家族あってこそと、ただただ思います。

【イチロウさんのツアーレポート 音楽編】
どうやらタンゴにはピアソラを容認するかしないかという意見が今でも交錯するらしい。 今回のツアーでも某所で「ピアソラをやってくれるな」意見(年配のタンゴファン)と「ピアソラをやってほしい」(30代のお客さん)が見事に現場で交錯。*どっちもやりました。 ふーん。と思う。これは70年マイルスがジャズかどうかとか、オーネットコールマンなんてジャズじゃないみたいなものなのか。 私は4ビートのスタンダードもアガルタもWe Want Milesもプライムタイムも好きなので、同じ日に聴くなんて当たり前だし、何の障害もないんだどな。(その勢いで松田聖子もそのままいける私、無節操でスイマセン) まてよ。でもですよ。札幌ラーメンはモヤシがどーんと乗ってる味噌でないと「こんなの札幌ラーメンじゃな~い」と今回のツアーで文句をつけたのは私だ。 寿司もそうだ。昨今は回転寿司でも「イカはレモンと塩でお召し上がりください」やら「ポン酢とモミジオロシでどうぞ」なんてありますね。そんなの江戸前寿司じゃなーーいイカはモンゴイカなのーお寿司はお醤油つけて食べるものなのー。と欽ちゃん語でガッカリする私。 そういう古風な感性は自分にもちゃんとあるわけで。(そういう年齢ですから) 私はタンゴに詳しくないのでこれらについて意見する知識も情報も持っていません。なのでコメントする立場にありません。そもそもジャズもタンゴも私は実体がわかりませんから定義などできるはずもありません。 ただお伝えしたいのは、現状、タンゴやジャズその他の音楽もおそらく、生楽器を行使する演奏家のほとんどはどこからの支援があるわけでもなく、それでも音楽の魅力に魂を抜かれてしまったため、生活面が青色吐息でも継続ありきとがんばってます。 世の中にはコンピュータ音源で作った簡易音楽が売らんかなとメディアにひしめいている。ゲーノープロダクションとメディアと広告主がつるんで、つまらんものを垂れ流す。CD売れるタイアップドラマ視聴率上がる、広告商品売れる。 ざっくりと周波数域をバレないようにカットされた音源を一曲150円で買い、飽きたら捨てる音楽の扱いがもはや当たり前。 音楽に敵味方な関係を持ち込みたくはないが、残念ながら我々の障害になっているセクトはこうした尻軽な音楽文化と、それを誰かに復讐するように操る権力者の輩にほかならない。 ヘタすると我々は失業してしまう。 モヤシたっぷり味噌ラーメンが正統派かどうか以前に、好きで始めたラーメン屋がインスタントラーメンにつぶされてはならんのです。 いい音楽はいい音色とリズムと魂と愛が混在して出来ている。フリージャズだろうがオーソドックスな4ビートだろうがピアソラだろうがエルチョクロであろうが、形がどうであろうが、そもそもあろうがなかろうが。 なので内ゲバやってる余裕は(私には)ないのです。 


10月13日(土)【小倉】「ケイトミュージック」

10月13日(土)【小倉】「ケイトミュージック」
 ◆トリオ ロスファンダンゴス いわつなおこ(Acc)、秋元多恵子 (Pf)、谷本仰 (Vn)
 ◆El Fuelle with リマ 佐藤美由紀 (Pf)、広沢”リマ”哲(T-Sax)、柴田奈穂(Vn)、スズキイチロウ (Gt)、清水良憲 (Cb)

【リマレポート】
ツアー2日目です。7時半ごろ起床。泊まった梅田の丸一ホテルの写真。
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ホテルの周り。ある意味とても良い環境(笑)
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8時半出発。中国道へ。走行距離550km。小倉「ケイトミュージック」17時入り目標。
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10時すぎ大佐サービスエリアへ。なかなか快調。
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いのししラーメン、名物みたいです。興味はある。
車中で今日の作戦を練る。方針は「やり逃げ」に決定。何とか来年以降の仕事をとれるといいなあ。
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13時半ごろ安佐(あさ)サービスエリア到着。佐藤美由紀の「昼なのにあさー」発言に3人でムッとする。むっ
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名物らしい。「がら」って何?
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さて昼食。ねぎラーメンを食べるスズキイチロウ。
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尾道ラーメンを食べる佐藤美由紀。
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ラーメンセット(餃子、半チャーハン付き)を食べる清水良憲。リバウンドまっしぐら!!ラーメン昔風の味でなかなか美味しかったです。
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と思ったらこんな所にリバウンド3号が!!食後のデザートに「たこ足てんぷら」を食べる佐藤美由紀。
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中国道はズーッと山の中を通る道で車がほとんどいませんでした。ヒジョウに快調にドライブ。15時すぎに関門大橋通過。ついに九州到着。ニコニコ16時すぎに「ケイトミュージック」に到着。さてお仕事、お仕事走る人
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ファンダンゴスのピアニストのケイトさんのお店(ケイトミュージック、いつもは音楽教室でCafeです。)とりあえず小腹がすいていたのでコンビニに。ビールを買うかどうか悩んでいたら、となりの棚で十六茶をバタバタと棚から取りこぼしているドンくさいおねーチャンがいた。結局ビールを購入してケイトミュージックにもどる。するとさっきの「コンビニの棚なぎ倒し」おねーチャンがいる。今日共演するバイオリンの柴田菜穂さんでした。話してみると「なってるハウス」に今年2度来ているベースの森定さんのバンドのメンバーでヘキサグラズマのピアニストの人とよく演奏しているらしい。サウンドチェックをすませて18時半開場。ぞくぞくとお客さん来る。入場者数40席全てうまる。さすがファンダンゴス。
先に「トリオ・ロス・ファンダンゴス」のライブから。MC少な目でどんどんと曲をやっていく。極上のダンスミュージック。ダンスを習い始めたせいか体が自然に動いてくる感じ。前回見た時には分からなかった。途中からお店の前の道でステップを踏みながら見ていたら清水君が横で真似しはじめる。佐藤美由紀と柴田菜穂は最後の方では変な踊りを踊っていました。踊らすという事においてはファンダンゴスは今日本一 だと思う。 。うちのバンドも含めてほとんどのタンゴバンドは出来ていない事だ。うらやましいし、頑張らねばいかんと思う。2部は「ミユキタンゴwithリマ」というかリマタンゴwith柴田菜穂。曲はまず5人で「首の差で」続いて2曲はリマタンゴの4人で「マレーナ」と「ジェバーダ(イチロウさんの新曲)」ふたたび5人で「レクエルド」「エル・ポルテニート」美由紀さんとイチロウさんのDUOで「とろ火で」(というタイトルだと思う)再び5人で「リマタンゴ」「オブリビオン(佐藤美由紀アレンジバージョン)」で最後が「鮫」。テーマは「やり逃げ」。「丁寧に吹かなくて良いから思い切ってバーとかブーとか吹いて」というのがスズキ参謀の今日の作戦でした。というわけで随所で致命的なミスをしつつブーとかバーとかやってきました。幸いお客さんは喜んでいてくれたみたいなのでヨカッタ、ヨカッタ。アンコールは「最後のコーヒー」でした。とりあえずお客さん的にも2つのバンドが見れてなかなか良い見世物だったと思います。まあ色々な反省点を残しつつ、30時間ほど移動した後のライブも無事終了して、怒涛の「打ち上げ」に突入するのであった。ビール
ライブ終了後の打ち上げは「ホルモン鍋」。皆の泊まるホテル近くの焼き肉屋さんです。手前がホルモン鍋。焼き肉やホルモンをぶち込んで野菜を山盛りにして甘辛いタレをかけたたもの。初めて食べた。うまかった。ニコニコ初のイチロウさんとの2ショット。前ピンです。
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上の写真を撮ってくれたダーニシさん。(小倉在住)後ピンです。
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5年ほど前まで東京で活動していました。しぶいジャズのテナー吹き。イチロウさんとバンドやっていました。「なってる」出演歴あり。
やっぱAFカメラにしよう。この前にカルビ、ホルモン、レバ刺し、レバー焼きなども食べているのですが、あまりの美味さに写真撮るの忘れていた。内臓喰いに関してはやはり西日本に負けると思いました。皆は明日も300Kmほど移動して岡山でライブなので、12時にはホテルに戻ると言っていたのだが、2杯目のビールに口をつけたとたんスズキイチロウが「今日はもう・・・(以下略)
別席の美由紀さんと谷本っちゃんの間では、来年のジョイントに向けての話し合いが行われていたようです。谷本「来年この組み合わせでツアーしよう!!」
佐藤「リマあり?リマなし?」
谷本「うーん、、、、、ありで」
悩むな そこで。っていうか聞くな、そんなこと。ちゃんと仲間に入れておいてください!!この後、明日朝移動の4人は九州ラーメンを食べにいきました。
14日は朝8時起床。日曜日なので寝床を片付けて早々に退散。漫画喫茶でメールチェックしたり新幹線の切符とったりして昼ごろ「唐戸市場へ」。
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後ろの橋が関門大橋です。
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さらに拡大。今日は移動だけなので思いっきり飲み喰いできる。うれしい。後ろを向くと水族館の前に鯨の像が。というわけでクジラかつと小ふぐのてんぷらとビール。しめて750円。なかなか美味しかった。
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第2弾海老とほたてのカツとビール。650円。衣に職人の技が光ります。(見た目はよかったのだが、、、)
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ここでフィルム終了。このあとにふぐ汁(ふぐのあら汁)と焼酎。良い気分で下関駅まで歩いて帰る。久々にのんびり。シラー東京にいるとこうはいかない。で新幹線に乗って帰ってきました。新幹線乗ったとたんに爆睡。翌々日まで疲れがとれんかった。(完)

 【ミユキレポート】
今回のミユキ号の走行距離は、2,512.8km。やっぱり九州は遠かったです。小倉でのライブは、ファンダンゴスの皆さんのお陰で満員御礼♪El Fuelle 初の九州上陸でした。一部と二部にそれぞれのバンドが演奏しただけだったのですが、絡みを期待していた、という声を多数いただいて感激。次回は必ずや、とファンダンゴスの皆さんと誓い合ったのは、ライブ会場から歩いていかれる「ソウル」(焼き肉屋さん♪)での打ち上げの席。ここで広島の大槻オサム氏と初めての対面。いつか広島にも来てください!と言っていただきました。ありがとうございます。ご来場くださいました皆さまはもちろん、準備や段取りなど色々とお力をお貸しくださいましたスタッフの皆々様、本当にお世話になりました。ありがとうございました~!



4月3日(火)代官山 「Candy」 

4月3日(火)代官山 「Candy」
佐藤美由紀(Pf)、早川純(Bandoneon)、スズキイチロウ(Gt)、清水良憲(Cb)、柴田奈穂(Vn)

【ご来場くださった方のレポート】
 一昨日はエル・フエジェ(El Fuelle)の代官山“CANDY”ライブに顔を出した。何とか21時開始の第2部に滑り込んだ。 エル・フエジェ(El Fuelle)は4月に東京・関西・名古屋で1st CD“MIYUKI TANGO”発売記念ツアーを敢行する。ヴァイオリンの江藤有希さんが腱鞘炎の治療で休養中のため、今回のツアーでは大阪在住のタンゴヴァイオリニスト・柴田奈穂さんが参加する。代官山ライブは東京ツアーの締日になる。
エル・フエジェ(El Fuelle)の持ち味は大胆な即興演奏にある。この日の中では「ラ・ラジュエーラ(石切り遊び)」が秀逸だった。最初の数分は何の曲だか全然分からず、CDに収録されている音とのあまりの違いに驚いた。ライブならではの醍醐味であろう。 ヴァイオリンの柴田さんは、アルゼンチンに渡ってフェルナンド・スアレス・パス(アストル・ピアソラ五重奏団最後のヴァイオリニスト)に師事したという本格派。時々前傾して楽曲にのめり込んでいく姿勢と相俟って、タンゴらしい粘性の高い音を奏でていた。 江藤さんの場合はショーロ(ブラジルの伝統音楽)でも活動している影響か、柴田さんほど粘性は高くない。個人的にはギドン・クレーメルのような端正であっさり目の演奏だと感じている。 さて、私はしばしば「トロイデ⇔アスピーテ」という基準を用いている。トロイデ(鐘状火山)は粘性の高い溶岩が垂直方向に積み重なった火山、アスピーテ(楯状火山)は粘性の低い溶岩が水平方向に拡がった火山を指す。現在の火山学ではこの用語は修正されているそうだが、素材の粘性と結果の形状を同時に取り扱えるこの基準は重宝している。さらには複数の対象で「トロイデ⇔アスピーテ」軸を組み合わせることによって、様々なマトリックスを切ることが可能である。 単純に見ると、柴田さんの音質はトロイデ寄り、江藤さんの音質は真ん中ないし少しアスピーテ寄りだが、どうも事態はそれほど単純ではなさそうだ。演奏後に柴田さんと少しお話したが、これほど即興演奏を自由にやらせてもらったことは初めての経験で、楽しかったという。今後のツアーの中で柴田さんは、演奏形態における従来のタンゴ的トロイデ(譜面弾き)からエル・フエジェ(El Fuelle)流アスピーテ(即興演奏)にどれだけ順応して新しい自分に目覚めてゆくのか、興味津々である。 短期間に仕上げたとはいえ、エル・フエジェ(El Fuelle)with柴田奈穂としては、まだ細かい部分で修正の余地があるように見受けられた。さらに熟成させて飲み頃・聴き頃になるのはツアー後半あたりになろうか。この辺の事情は初日より楽日の方が良く仕上がっている歌舞伎公演と同じであり、あまり心配していない。 ツアーが終わる頃にはエル・フエジェ(El Fuelle)は大きな引き出しを手に入れていることであろう。更なる活躍を祈念申し上げる。(Tさん)

【Vn柴田奈穂さんによるレポート】
 東京最終日、代官山のCANDYはとっても豪華なお洒落なお店。先日の谷中でお世話になった石山さん、そして2月に松竹のドラマ撮影の仕事でご一緒した女優の岩本美祐紀さんも応援にかけつけてくれました。新たな出会いもたくさんいただきました。陶芸家の瀧田さんもありがとう~!!「ブエノスアイレスの夏」は燃える!!ほかほかした気持ちで東京をあとにした。素敵な出会いに恵まれたとてもきらきらしていてあたたかい一週間になり、 一週間後に関西でもう一度このメンバーで演奏できるのがとても楽しみだった。


4月2日(月)東大和 「カフェバー・空」

4月2日(月)東大和 「カフェバー・空」
佐藤美由紀(Pf)、早川純(Bandoneon)、スズキイチロウ(Gt)、清水良憲(Cb)、柴田奈穂(Vn)

【Vn柴田奈穂さんによるレポート】
 2日目の東大和カフェバー空は、雰囲気の良いアットホームな空間で、丁寧にサウンドチェック。この日は、心臓移植を余儀無くされ渡米手術費用をつのっている、 東大和市在住の大学生・橋本万里くんのためのチャリティーライブ。 万里くんのお母様もいらしてくださった。 無事の手術の成功を祈ります。DJの木村園さんも応援に駆けつけてくださり、ライブとしてはフリーな部分が増えて、がぜんライブ感が増してきた感じが嬉しかった。ホテルに帰る電車の中で、ミユキさんのこのバンドに対する熱い思いを聞いて胸がじーんと熱くなった忘れられない夜。


4月1日(日)成田 「エクセルホテル東急」El Fuelleディナーコンサート

4月1日(日)成田 「エクセルホテル東急」El Fuelleディナーコンサート
佐藤美由紀(Pf)、早川純(Bandoneon)、スズキイチロウ(Gt)、清水良憲(Cb)、柴田奈穂(Vn)

【初共演!Vn柴田奈穂さんによるレポート】
 とても、よい出会いとよい経験に恵まれた東京ツアーとなりました。初日朝、京都から新幹線に乗り込み、なめらかに滑り出した車内からの景色は快晴で、 まどろみを楽しんだりしているうちに、あれよあれよという間に東京に到着してしまった。ピアノの佐藤美由紀さんと落ちあうために電車を乗り継ぐ。2006年10月に自分のCD発売記念ライブをした時、渋谷の会場に聴きに来てくださったのがきっかけで彼女と縁が出来たわけなのだが、 その後は一度も顔を合わすことなく、メールでのやりとり、電話でのやりとりで今日を迎えた。
お会いした時は、まだ一度も一緒に音を出したわけではないのに、「やっとお会いできました」という不思議な気持ちになった。CD発売記念ライブというのは、ミュージシャンにとってちょっと特別なものだと思う。音源はあくまでも過程を記すものだけど(CDを制作した直後からまた成長しつづけるから)、やはり記すという行為には結構エネルギーが必要で、 それをたくさんの人に聴いていただくための今回のツアー。昨年秋の経験から、このバンドがこのツアーにかける意気込みが私にもとてもよく分かる。いかに大切かも。その場所に交じって一緒に演奏させていただけるというのはこの上なく光栄なことだ。そして、私もその意気込みを少しでもたくさんの方に音で届けねばならない、という心地よいプレッシャーを胸にいだいて、 ミユキさんと一緒にリハに向かう。
ちなみに、バンマスのピアノ佐藤美由紀さんからおよそ一ヶ月前に送られてきた譜面と用意した曲は、ざっと40曲ほど。上京前は毎日が「・・・むきゃー、練習じゃ~!」という状態であった。というのも、ツアー中曲目が毎日日替わりメニューだったから。これらの曲をざざざっと通してゆく。いささか固くなっている私をまるでときほぐしていただくかのように、リハが進む。ピアノの佐藤さんのタッチが強烈で、普段は細身でニコニコのたたずまいからはとても想像できない、すごいインパクトの音。 演奏中にピアノの弦を叩ききったことも1度や2度ではないといえば、その強烈さをお分かりいただけると思う。打ち出されるリズムの数々は、タンゴのビートに溢れている。柔らかい物腰と冗談(オヤジギャグも飛び出す(笑))とで時折メンバーを気遣いつつ、テキパキと物事をすすめる姿はさすがリーダー!ギターのスズキイチロウさんは、自分の音楽道をまっすぐ貫いてきたその信念みたいなものを、洗練された音に滲ませつつ艶のある音とリズムを出していた。 呑み会では、彼の音楽談義(通称「イチロウ劇場」(笑))に耳をすますメンバーたちの姿もあり、頼れるアニキ的存在。バンドネオンの早川純さんは、まだ26歳だそうで、若いのに上手い!タンゴらしい歌いまわしも素晴らしく、その鮮やかな演奏に聴き入ってしまったことも何度もあるほど。お人柄も名前のとおり、「純」。ずばり好青年。彼は小松亮太さんのバンドの他、日本を代表するタンゴバンドに参加されているが、この若さでこれからもますます大きくなられると思う。そういう意味でもとてもまぶしかった。ベースの清水良憲さんも、人柄がそのまま音に出ているなあと思った。適度な距離感を心得て人に安心感をあたえ、自然にそこになくてはならない存在感はまさしくベーシスト。そして、イチロウさんと清水さんはジャズ出身だ。そんなことも影響してだと思うが、フリーな部分を多く導入しているこのバンドのスタイルは、タンゴバンドにしては珍しいやり方で、 既成のアレンジなど枠にとらわれずに新しいやり方を常に模索している。というわけで、機会があれば未体験の方はいっぺん聴いてみてください!覚悟してとにかくぶつかっていくことを決意してリハにのぞんだ結果、 リハ終了後、楽しく呑み会へなだれ込んだ。あたたかい歓迎を受けて、ほっこりしました。ありがとうでした。
初日成田の昼夜公演で、とてもいい手ごたえでやらせていただき、新曲もさらに2曲追加。夜はホテルでのディナーショー形式での演奏だったのだが、「オブリビオン」や「ラ・クンパルシータ」で出てきたメンバーのソロがとっても光っていた。企画者堀口さんお世話になり、ありがとうございました!ご好意で食べた楽屋でのお弁当のおいしかったこと!(昼ボリュームたっぷりとんかつ、夜超豪華寿司弁当)

 


3月31日(土) 谷中「ボッサ」

3月31日(土) 谷中「ボッサ」 ピアソラの再生~音と桜による心の調律~
柴田奈穂(Vn )、佐藤美由紀(Pf)

主催:再生の春
協賛:Beat Sound(株式会社ステレオサウンド)

【初共演の柴田奈穂さんによるレポート】


 谷中ボッサでは、満開の桜の時期にあわせて“タンゴ・ライヴ”を実施します。ブラジルの隣、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで約130年前に生まれた音、タンゴ。その長い歴史の中でも中でも、タンゴの革命児と言われたアストル・ピアソラの創造した音の数々は1992年の他界後も、 少しも色褪せる事無く、今だ世界中の人の心を捉えて離しません。今回お届けする音の演奏者はタンゴ、そしてピアソラの音を継ぐ二人、柴田奈穂さん(Vn)と佐藤美由紀(Pf)さん。憂愁の春に、新しい形でピアソラ、そしてタンゴの魂を再生します。
by 主催:再生の春


・・・というキャッチフレーズで東京谷中で行われたこのライブ、 昨年リリースしたCD「ブエノスアイレスの冬」を関西に住む奥井さんが聞いてくださったことがそもそもの始まりでした。奥井さんは、何年か前に大阪でライブをした時に聞きに来てくださって出会った、かわいらしいけれども、知的な部分とタフな部分を併せ持つ魅力的な方。ある日、そんな奥井さんからメールが届きました。私のCDに収録されている「タンゴと桜」という、私も大好きなこの曲を、奥井さんがとても気に入ってくれて、東京在住でタンゴの話題で仲の良い知人石山さんに紹介してくれたこと。石山さんもその音源をとても気に入ってくれて、なじみのお店「谷中ボッサ」に持っていってくれたところ、お店のマスターも気に入ってくれたこと。石山さんが、ライブのプロデュースなどはやったことがないけれど、桜の満開の時期に演奏しに来てほしいと希望してくれていること。その会場はほかでもない、「谷中ボッサ」をイメージしていること。実現すれば、もちろん奥井さんも関西から聴きにいく意志があるということ。そこにはこんなことが丁寧にしたためられていました。すぐにやらせていただく方向で考えると返事しました。
奥井さんからいただいたそのメッセージには、「多少のリスクなどどうでもよく、この出会いを大切にしたい」そんな風に感じさせる夢がありました。 私にとってちょこっと大変な時期でもあったので、そんな風に大切に自分の音を聞いてくれた方がいることは大きな励みになりましたし、 心の底から聞きたいと言ってくれているその純粋さに本当に気持ちがあらわれるようでした。そして、Beat Sound(株式会社ステレオサウンド)武田さんの多大なるご協力のもと、このライブが実現しました。東京の人気タンゴバンド El Fuelle 「エルフエジェ」の佐藤美由紀さんに共演していただけませんか、とお願いしたところ、快く引き受けてくださったのです。このライブが美由紀さんとの初めての共演でしたが、これがきっかけとなり、エルフエジェの東京ツアーにも参加させていただくことになったようなもので、 私にとっては本当に本当に出会いの宝物のようなライブでした。選曲も、私の持ち曲とEl Fuelle のレパートリーから出し合う形で決めていきました。奥井さんも石山さんも、大切に大切に企画を暖めてくださって、いよいよ当日。予想通り、東京は、満開の桜が咲き誇る春の日でした。それはまさに、奥井さんいわくの「狙いどおりの完璧なシチュエーション」だったのです。
谷中ボッサは30人も入ればいっぱいのアットホームな空間で、木の雰囲気がとても心地よい素敵な店でした。石山さんがなぜこの店を選んだのか、分かるような気がしました。奥井さんも関西から駆けつけてくれました。武田さんがPAをセッティングしてくださってリハをざっとやると、間もなく開演時間。春の風がやさしく香る中、桜のトンネルを抜けてきたお客さんたちが続々と集まってくれました。夜もすっかり更けてきて、いい雰囲気。所狭しと並べられた椅子に、これまたところ狭しと座ってくださったお客さん達。石山さんと奥井さんは交代で客席に出てきて演奏に耳をすましていました。終盤にさしかかり、このライブをやるきっかけになった「タンゴと桜」を演奏すると告げると、いろいろな思いがめぐりました。この曲はCDのプロデュースもしてくれたバルコスさんが私にプレゼントしてくれた曲です。共演の美由紀さんは夜桜のイメージと言っていました。わたしも、この曲を演奏する時は静かな情景から始まり、そのうちに膨大な桜の花びらが激しく空に舞い散る様子をいつも思い浮かべています。タンゴに魅せられて音楽の道に進みバルコスさんと出会い、そのピアノに惚れてアルゼンチンに行って、この曲をもらってレコーディングしたこと、 それを聞いてくれた奥井さん。それから広がって石山さんや武田さんと新しい出会いが生まれたこと、そして今回初共演となった佐藤美由紀さんという素晴らしいピアニストに出会えたこと、 この店で、今ここで演奏できる喜びや、そこにお客さんが聴きにきてくれたこと。すべてすべてつながっている。演奏直後は、ガラにもなく目頭が熱くなって、少し泣きたくなりました。この一つの曲が、この出会いを生んだのだと思うと、震えがきました。
後日、雑誌「Beat Sound」にこのライブの模様がCDと一緒に見開き2ページにわたって紹介されました。雑誌の中にも、「CDに記録された一曲が人の生き方や周囲の人間の心まで突き動かす原動力になることがある・・・」とありますが本当にそのとおりだなって思います。私はこの日、その空間と企画してくれた皆さんと、お客さん、共演してくださった美由紀さんのことが大好きになりました。来て下さった方々、関係者のみなさん、どうもありがとうございます!!石山さん、奥井さん、武田さん、お疲れ様でした。感謝!!

【ミユキレポート】
 このライブでの共演がキッカケとなり、柴田さんが関西ツアーへの礎を築いてくださいました。ミユキタンゴがツアーバンドとして歩みだす、初めの一歩となりました。


3月26日(月)錦糸町「Early Bird」

3月26日(月)錦糸町「Early Bird」
佐藤美由紀(Pf)、早川純(Bandoneon)、スズキイチロウ(Gt)

【ご来場くださった方のレポート】
 錦糸町の「アーリーバード」にエル・フエジェ(El Fuelle)のライブを第1部の途中から鑑賞した。今回は佐藤美由紀(ピアノ)、スズキイチロウ(ギター)、早川純(バンドネオン)による三重奏。この組み合わせて聴くのは東大和・東向島に続いて3度目になるが、毎回違う演奏を聴けるので、飽きるということがない。
今回の「パロミータ・ブランカ」のアドリブは、ピアノとギターが軽快に絡む趣向だった。前回の国分寺クラスタではピアノが1人で2分くらい粘着的に引っ張っていたので、余計爽やかに聞こえたのかもしれない。 来月にかなりハードなCD発売記念ツアーを敢行するためか、今回は調整的な性格が強かった気がする。それでも第2部最後の「フーガと神秘」、アンコールの「首の差で」などは気合十分で、マスターも感銘を受けたようだ。 ツアーのご成功を祈念する。(Tさん)


3月10日(土)筑波 「ラ・カラフェ」

3月10日(土)筑波 「ラ・カラフェ」
佐藤美由紀(Pf)、江藤有希(Vn)、早川純(Bandoneon)、スズキイチロウ(Gt)、清水良憲(Cb)

【ご来場くださった方のレポート】
私はタンゴにはそんなに詳しくはありません(笑)いわゆる音源という意味ではそうです。ただブエノスアイレスに滞在していた1ヶ月ちょっとの間毎日のようにタンゴバーに通って生のタンゴバンドの演奏を聴いていたというのが、私とタンゴの唯一の接点です。とにかくその熱さと親しみやすさにはまってしまったんですね。日本に戻ってから、少しばかりその余韻でタンゴを聴いてみましたが、何かが違う。。。なんか。。。そう思ってマニアックな聴き方をする ほどにはなりませ んでした(笑)
でも、ここでmiyukiさんたちと出会いなんでもありのタンゴを見た時、ブエノスの熱いタンゴの記憶がよみがえりました。ご本人方には失礼かもしれませんがw 典型的なタンゴとはちょっと違うw そこが大好きです。ブエノスでのタンゴは生きていました。大荒れの波のように畳みかけてきます。これでもか、これでもかと何度も畳みかけてきます。miyukiさんたちのタンゴも同じ匂いがします。聴く側も体力がいります(笑)気持ちをしっかり持たないと倒れそうになります。へとへとになります。
どれくらい熱い演奏か?1stステージが終わった後、miyukiさんが弾いていたピアノの黒鍵がとれていました(笑)それも2個もwww あ~~楽しかった♪(Sさん)

【ミユキレポート】
 10日のつくばライブ、ご来場くださいましたたくさんの皆さま、 本当にありがとうございました。 お陰さまで立ち見満員。何とも熱い夜になりました。 熱くなり過ぎて、私は黒鍵を2つも取ってしまいました・・・ しかも1st ステージで。 ごめんね、ピアノさん・・・ごめんなさい、カラフェママさん・・・休憩時間にバイオリンの有希さんが近くのコンビニに走って アロンαを購入して来てくれました。 ありがとう♪・・・これからはこれを持ち歩きます。
この日は、「ミユキタンゴ初体験」な方が多数おいで下さり、身を乗り出して聴いてくださって、とても嬉しかったです。 休憩中や終演後客席を廻ったら、あれやこれやと質問の嵐・・・ 興味を持ってくださったようで、 ジーンと嬉しい気持ちになりました。